小学生の時に通っていた学習塾の先生が今でも印象に残っています。
中学受験対策ではなく、のんびりとした家庭的な雰囲気の学習塾でした。
といっても、先生は「自分で考える」ということを大変重視されていました。
例えば、算数の問題を解く場合、公式に数字を当てはめ最速で回答するよりも、そこまでのプロセスを自分の頭で考えさせることを優先していました。
対話形式で少しずつヒントを出しつつ、生徒に公式そのものを考えさせる、という教え方です。
生徒は列を作って、一人ずつ先生の耳に答えを小声で耳打ちするのです。
正解なら「Dersuさん、一番乗り」と大きな声でほめてもらえる。
間違っていれば「ここをこう考えてごらんなさい」とヒントをくれるのです。
間違った生徒は列の最後尾まで並びなおして、また自分の順番が回ってくるまであれこれと考えるのです。
普通なら公式を暗記すれば一瞬で終わるような内容を1時間以上かけて学習していたのです。
一見、非合理的にも思える学習法ですが、教科書に書かれている文言を鵜呑みにせず、自分で考える癖がつくようになったきっかけとなったのは、先生のおかげかもしれません。
独特な教育法ですが、今となっては素晴らしい考え方を授けてくださった先生に感謝の思いでいっぱいです。